この度、当ギャラリーに、マイセンのコーナーがオープンしました。
コロナの影響で、オープンが遅れましたが、緊急事態宣言も解除され、この桜の季節にようやくお披露目の機会を得ました。
まず入口のショーウィンドウには、江戸時代の慶應年間に作られた「大きな古伊万里の花瓶」がお出迎え。
こちらが、マイセンコーナーの目印です。
この「古伊万里」は、中国の明から清へと時代が変わる時、ヨーロッパへ流れなくなった中国磁器に代わる絶好の品として、ヨーロッパへと輸出されることとなります。
ご存じの通り、初期のマイセンは、中国の磁器や日本の古伊万里の影響を受けて、誕生しました。
マイセンの磁器は、中国や日本の白磁に魅せられたザクセン公国アウグスト強王の命令で作られたのです。
マイセンの「親」のようなものですね。
室内には、マイセンの人形・食器を多数ご用意しています。
マイセンと言えば食器がすぐイメージされますが、人形は、300年近い歴史を誇るマイセン磁器の中でも特に重要なものです。
大きな人形は、各部分をそれぞれ別に作ってそれらを磁土でつないでいくなどして、時間をかけた繊細な手仕事で作られます。
マイセンの造形家や絵付け師は、食器とは異なった修業の後、専門家として、生涯を人形と共に過ごすと言います。
いわば人形は、マイセンの技術の粋の結集なのです。
当ギャラリーで、この神がかったマイセンの精緻な造形を、是非堪能してください。